RSLの概要
楽天スーパーロジスティクス(Rakuten Super Logistics, RSL)は、楽天市場に出店している店舗向けの物流アウトソーシングサービスです。このサービスを利用することで、店舗は商品の保管、梱包、出荷などの物流業務を楽天に委託することができます。
まずはRSLの主な特徴と利点についての概要を記載します。
- 料金体系: RSLの配送料金は全国一律で設定されており、梱包資材の費用も含まれています。ただし、サイズによっては追加料金が必要な場合があります。
- 利便性: RSLは「あす楽」に対応しており、15時までの注文は翌日に配送されます。また、土日祝日を含めた365日出荷対応が可能です。
- オプションサービス: 商品の期限管理、ギフトラッピング、チラシや販促物の封入など、様々なオプションサービスが提供されています。
- 他モールへの対応: RSLは楽天市場以外のモール(例えばAmazonやYahoo!ショッピング)で注文された商品の配送にも対応しており、これにより店舗は複数のモールでの販売を効率的に行うことができます。
- 立ち上げ時のサポート: RSLでは専任の担当者が店舗の立ち上げに関するサポートを提供し、物流業務のセットアップや運用に関するアドバイスを受けられます。
- 不着返品の対応: 発送した商品が届かなかったり、返品された場合の処理にも対応しています。
導入に際しては、受注管理システムの導入や、一部取り扱いができない商品の存在、導入から発送開始までの時間がかかる点など、いくつかの注意点があります。
全体的に見ると、RSLは楽天市場に出店する店舗にとって多くの利便性をもたらすサービスですが、導入前には各種条件や料金体系を詳細に確認することが重要です。
RSLのメリットとデメリットは?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の主なメリットとデメリットは以下の通りです:
メリット
- 一律料金: 全国一律料金で配送が可能です。これにより、地域による配送料の変動を心配せずに済みます。
- 多様なオプションサービス: 商品期限管理、ギフトラッピング、チラシや販促物の封入など、多くのオプションサービスが用意されています。
- あす楽対応: 当日15時までの注文で翌日配送が可能な「あす楽」に対応しています。
- 365日出荷対応: 土日祝日を含む年中無休での出荷対応が可能です。
- 他モール出荷対応: 楽天市場以外のモールでの注文にも対応し、複数のモールでの販売を効率的に行うことができます。
- 立ち上げ時のサポート: 専任担当者によるサポートが提供され、物流業務のセットアップや運用に関するアドバイスを受けられます。
デメリット
- 受注管理システムの必要性: RSLを利用するためには、受注管理システムの導入が必要です。
- 取り扱い制限のある商品: 一部の商品は倉庫の環境や法的な理由により取り扱いができません。
- 導入・発送開始までに時間がかかる: 導入から発送開始までに1〜2ヶ月かかる場合があります。
- 配送会社の限定: 日本郵便と提携しており、配送会社が限定されます。これは、他の大手配送会社を利用したい場合に不便を感じる可能性があります。
- 倉庫の拠点選択不可: 倉庫の拠点は選択できず、追加入庫する先が変わる可能性があります。
これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、自社のビジネスモデルや物流ニーズに合わせてRSLの導入を検討することが重要です。
RSLの申し込みの流れは?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)への申し込み流れについては、以下のステップに従います:
- サービスについての情報収集: まず、楽天スーパーロジスティクス(RSL)のウェブサイトや関連情報源で、サービスの詳細について情報収集を行います。これには料金体系、提供されるサービスの範囲、必要な条件などが含まれます。
- お問い合わせ・申し込み: サービスに関する疑問点が解消されたら、公式ウェブサイトの問い合わせフォームまたは提供されている連絡先を通じて申し込みの手続きを進めます。
- 専任担当者との打ち合わせ: 申し込み後、楽天から指名される専任担当者との打ち合わせを行い、ビジネスのニーズや物流の要件について話し合います。
- 契約書の作成・締結: 両者で合意に達した後、契約書が作成され、締結されます。
- システムのセットアップ: 契約成立後、必要に応じて受注管理システムのセットアップや楽天市場との連携設定を行います。
- 運用開始: すべての設定が完了したら、楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用した運用が開始されます。
この申し込みプロセスは、楽天スーパーロジスティクスの公式ウェブサイトで提供されている情報に基づいています。ただし、具体的な流れは変更される可能性があるため、最新の情報は公式サイトや直接の問い合わせを通じて確認することが望ましいです。
RSLの料金は?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の料金体系に関しては、以下の情報が提供されています:
- 全国一律料金: RSLは全国一律料金を設定しています。これには沖縄、北海道、離島でも変わらない料金が適用されます。また、配送料金には梱包資材の費用も含まれているため、追加の費用が発生することはありません。
- サイズによる料金設定: 配送する商品のサイズに応じて料金が異なります。例えば、100サイズまでの配送費は380円など、リーズナブルな設定となっています。
- 出荷方法による料金変動: ポスト投函を指定して出荷手配を行った場合、指定サイズに収まらない場合は宅配便に切り替えられ、料金が変更される場合があります。
- 梱包の個数による料金: 梱包の都合で2箱になった場合は、2倍の配送料金が必要になります。
- オプションサービス: 商品期限管理、ギフトラッピング、チラシや販促物の封入などのオプションサービスには追加料金が発生する場合があります。
これらはRSLの一般的な料金体系の例ですが、具体的な料金はサービスの詳細や契約条件によって変わる可能性があるため、最新の料金情報や詳細な料金体系については、楽天スーパーロジスティクスの公式サイトまたは直接の問い合わせを通じて確認することが望ましいです。
RSLの評判は?
実際にRSLを使っていた私としては、配送スピードや梱包、同梱物の正確さなどは非常に正確で、口コミにも配送についてのクレームはつかず、褒められることが多かったです。また発送費用も安く感じましたし他のモールとの連携も問題なくできていました。一方で、RSLを使う際に連携するシステム「boss」については、分かりにくい箇所が多々あり、慣れるまでに非常に多くの時間を費やしました。常にわからないことが多く、電話やメールの時間が多くとられたため、事業の売り上げ以外のところで思ったよりも時間を使ってしまいもったいない思いをしたという後悔もあります。
RSLとAmazonのフルフィルメントサービスとの違いは?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)とAmazonのフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)の主な違いは以下の通りです:
- 料金体系:
- RSL: 他モール向けの出荷も楽天向け出荷と同一料金です。
- FBA: Amazon向け出荷と他モール向け出荷で料金が異なります。
- 配送スピード:
- RSL: 翌日配送が可能で、あす楽にも対応しています。繁忙期にも通常通りのサービスラインで出荷対応ができます。
- FBA: 翌日配送が可能ですが、年末年始やAmazonでのイベント等の繁忙期には、翌日配送の出荷依頼が出来ない場合があります。
- 他モール出荷向けの梱包資材:
- RSL: 標準サービスとしてロゴ無し資材で出荷が可能です。
- FBA: ロゴ無し資材での出荷には別途申請が必要です。
- 配送クオリティ:
- RSL: 日本郵便と提携しており、日本全国一律のクオリティでお届けが可能です。
- FBA: 大手配送会社以外にもさまざまな配送業者と提携しており、注文によってクオリティがばらつく可能性があります。
これらの違いにより、楽天スーパーロジスティクスは特に楽天市場出店者向けのサービスに特化しており、他モールでの販売もサポートしています。一方で、AmazonのFBAは、特にAmazonでの販売に特化したサービスを提供しています。
楽天スーパーロジスティクスの利用を検討する場合、管理上の注意点(空調設備がない倉庫、配送可能なサイズや重量の制限など)や、受注管理システムの導入の必要性も考慮する必要があります。
RSLとヤフーのフルフィルメントサービスとの違いは?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)とYahoo!のヤマト運輸フルフィルメントサービス(ヤマトフルフィルメントサービス)の主な違いは以下の通りです:
- 楽天スーパーロジスティクス(RSL)の特徴:
- 楽天市場イベント時の出荷品質保持に特化しています。
- 他モール配送時も追加料金なし。
- 在庫保管料は比較的高め。
- 大型商品の取り扱いがない。
- 楽天市場出店者向けのサービスです。
- ヤマト運輸フルフィルメントサービスの特徴:
- 受注、保管、梱包、配送をヤマト運輸に一括して任せることが可能。
- 配送スピードが速く、関東・関西の一部では当日配送にも対応。
- Yahoo!ショッピング、PayPayモール出品商品が優良配送の対象。
- 在庫保管手数料や梱包・配送代行料が全体的に安価。
- 他モールで注文された商品の配送料金が高くない。
- ストアクリエイターProとの連携がやや不便。
料金比較:
- 在庫保管手数料は、一般的に「FBA」「ヤマト」「RSL」の順で安いですが、サイズや時期によってはヤマトが最安になる場合もあります。
- 梱包・配送代行料は、「ヤマト」「RSL」「FBA」の順で安いとされていますが、他モール配送時はRSLが最安になることもあります。
この比較により、楽天スーパーロジスティクスは楽天市場出店者に最適化されたサービスを提供し、特にイベント時の出荷品質の保持に強みを持っています。一方で、ヤマト運輸フルフィルメントサービスは配送スピードやコスト面で優れており、Yahoo!ショッピングおよびPayPayモールに出品している商品の競争力を高めることが可能です。それぞれのニーズやビジネスモデルに応じて最適なサービスを選択することが重要です。
普通の倉庫との違いは?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)、Amazonのフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)、ヤマト運輸フルフィルメントサービスなどのフルフィルメントサービスと、普通の倉庫(トラディショナルな物流倉庫)との主な違いは、以下の要素にあります:
- フルフィルメントサービスの特徴:
- 統合されたサービス: 受注から配送までの一連の業務(保管、ピッキング、梱包、出荷)を一括して提供します。
- Eコマースプラットフォームとの連携: これらのサービスは特定のEコマースプラットフォーム(楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング)と密接に連携しています。
- 自動化と効率化: オーダー処理、在庫管理、出荷などのプロセスが自動化され、より高い効率性を提供します。
- 多チャネル配送: 特にRSLやFBAは、複数のオンライン販路にまたがる注文の処理をサポートしています。
- 通常の倉庫の特徴:
- 基本的な保管機能: 主に商品の保管に重点を置いています。
- 機能の限定: 受注処理やEコマースプラットフォームとの直接的な連携、自動化された在庫管理などが不足している可能性があります。
- 多様なニーズへの対応: さまざまなタイプの商品や異なる顧客の要求に対応できる柔軟性があります。
総じて、フルフィルメントサービスはEコマースビジネスに特化し、オーダー処理から出荷までの一連の流れを効率化することに重点を置いています。一方で、通常の倉庫はより伝統的な保管と物流サービスに焦点を当てており、特定のEコマースプラットフォームとの直接的な統合は提供していない可能性があります。ビジネスのニーズに応じて、適切な倉庫サービスを選択することが重要です。
RSLは何日で発送される?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)では、注文があった場合、365日体制で当日15時までに依頼されたものについては翌日配送が可能です。これは「あす楽」というサービスによるもので、利用拠点によって対応エリアは異なります。この迅速な配送スピードがRSLの大きなメリットの一つとなっています。ただし、セール時などの注文増減の波動によって配送の遅れが生じることもあり得るため、注意が必要です。
RSLの初期費用はいくら?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の導入における初期費用は約10万円程度です。ただし、この金額は一般的な目安であり、具体的な料金は契約条件やサービスの詳細によって異なる場合があります。そのため、正確な費用については直接楽天に問い合わせることが推奨されます。
RSLの締め切り時間は?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の締め切り時間は、注文の翌日配送を可能にする「あす楽」サービスに対応しており、その注文締め切り時間は当日の15時です。つまり、15時までに受けた注文については、翌日に配送することが可能となっています。ただし、このサービスは利用する拠点によって対応エリアが異なるため、具体的なサービス範囲については確認が必要です。
RSLのメール便は何日で届く?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)のメール便に関する具体的な配送期間は、公式情報では明確に示されていません。通常、メール便の配送スピードは配送サービスや地域によって異なります。多くの場合、メール便は宅配便よりも配送に時間がかかることが一般的です。具体的な配送時間については、楽天スーパーロジスティクスに直接問い合わせるか、利用時のサービス条件を確認することをお勧めします。
RSLの保管料は?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の保管料は、保管する商品の体積に基づいて計算されます。具体的には、1,000cm³あたり7.5円の料金で、最小単位は1cm³から算出されます(1cm³=0.0075円/月/PCS)。これらの費用は日当たりで算出され、保管できる数量には店舗ごとに上限があり、上限を超えると追加料金が発生します。詳細な料金や保管条件については、楽天スーパーロジスティクスへの直接問い合わせが推奨されます。
RSLの受注管理システムは?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)で使用される受注管理システムには、BOSSやネクストエンジン、クロスモールなどがあります。これらのシステムは楽天の物流倉庫との連携を効率的に行うために使用されます。特に楽天市場との直接連携を考える場合、BOSSを利用するのが一般的で、費用は無料です。ただし、AmazonやYahoo、自社サイトなどと連携する場合は、他の受注管理ソフトの検討が必要になります。
RSLの配送業者は?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の配送業者は、主に日本郵便と提携しています。この提携により、日本全国にわたる一律の配送品質とサービスを提供しています。日本郵便は国内の大手郵便サービス提供者であり、全国各地への確実な配送ネットワークを有しているため、RSLを利用する楽天市場の店舗にとって安定した配送サービスが期待できます。
以上、RSLの解説でした!